2013年6月21日

Frog Mortice

フロッグのプラグを入れる穴には、作者のスタイルがある。

毛替えの時は、この穴の形が問題になる。形や角度によっては、クサビが作りにくい事がある。

だからと言って、フロッグを削ってしまう事は問題のように思う。何故か角度が殆どないために、どうしても必要な場合もあるとは思うが、その場合でも形などのスタイルは踏襲するのが良いように思う。また、弓の持ち主には通常は見えない場所である事も、慎重を要する理由ではなかろうか。

写真のフロッグは、作者と全く別のスタイルの形に掘り足されていて、削り方も荒っぽいものであった。削った屑もそのまま中に残っていた。
良い弓では、フロッグ内部も毛替えしやすいように考えられていて、プラグの穴も、プラグを削って合わせやすいように配慮されている。このフロッグでは、それが無視されたため、プラグを合わせるのがやりにくくなってしまった。この弓の場合は、何故掘り足す必要があったのかも分からない。

もちろん、こうなってしまっても毛替えは可能で、恐らく削った方にはやりやすくなったのだと思う。しかしオリジナルの綺麗な穴は失われてしまった。元に戻すような補修ができるどうかは、その状態による。フロッグ内部は、寸法の取り合いが厳しいため、埋めて掘り直すより、そのままにして置く方が良い事が多い。